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andymoriが解散を発表した。アルバムが全てiPodに収まっている、よく聞いていたバンドだ。解散の報せをTwitterで知った後、黄色いジャ ケットのアルバムを再生し、左手に見える日本海を臨みながら口ずさんだ。バンドの解散に打ちひしがれることはもう全くなくなって、むしろ若いうちに清々し く終わらせることは賢い選択なんだろうな、などと感じる。2007年の大学時代に結成ということは、1980年代後半生まれだろう。なんだまだ20代か、 全然いいじゃん。好感持てる。

彼らは早稲田大学の卒業生で、東京を歌っていた。渋谷のスクランブル交差点、待ち合わせは高円寺、西荻窪の アパート、学生会館に忍び込んだ夜。おそらくボーカルが訪れたであろう東南アジアを中心とした都市の名前もよく出て来る。人身事故で予定が狂い心が乱れ、 白人コンプレックスのポーズをとる。退屈ならジントニックを飲み干し、ウイスキーで丸一日潰し、たまには家族や昔の友人や恋人に強く想いを馳せる。

もうすごい、東京に住む若い人の代表みたいなバンドだった。鮮やかな私たちの日常だった。初めて聞いた時一瞬で好きになった。こんなに目の前のことしか歌わない人たちっているのかと思った。

で も、目の前ってすごい愛しいものだよなあ。日々生きていると、遠視を患いがちになってしまう。そこにはそこの、自分には自分の社会があるのに、なんだか向 こう側に意識を飛ばし気味。そういうのが評価されたりするから、どういうわけかしっくり来ない時もある。いや、そういうのも大事なんだけど。

 

andymori

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