小学校までの道順

近 所の公立小学校に通っていた。横浜の公立小学校だというのに1学年1クラスしかおらず、40人前後で形成されたコミュニティに毎日毎月毎年、6年間、同じ 教室にいた。今思えば気が狂いそうな環境だ。事実当時、その教室もクラスメイトも自分自身も担任も、少…

ひとりが好き、なわけないでしょう

年明けに母に会った時、「今年の目標はひとり旅なの」と告げられた。なんでまた唐突に、と聞くと、生まれてこの方ひとりで旅行をしたことがないのだと言 う。私は知らなかったのでひどく驚いたのだけれど、その一念発起は私や父に起因するものだとすぐに分か…

若さに他人に経験に敬意を

最近のわたしの標語。もともとは「若さに敬意を払うべきだ」という、山崎ナオコーラの短編小説の一節からはじまる。いつまでも最年少じゃないことぐらい分かってたつもりなのだけれど、なんだかぼんやり最近それを実感する。私より若い人が頑張っている。私…

変化する

ちょっと前に誰とだか忘れたけど、「自分の人生を変えた人っている?」という話になった。いわゆる著名人、文化人、歌手、作家ではなく、自分の知り合いの範囲で。私にも思いつく人が何人かいる。 それは何気なく友達だった子であったり、以前好きだった人で…

独立をしよう

友だちに昨日、少し前から考えていたことを告げた。「いつか一緒に尾道でカフェをやろうよ」ということ。私は特別カフェが好きで巡るようなタイプの人でもないし、尾道に深い縁があるわけではない。行った時に良い町だなと感じて、いつか住みたいな、くらい…

「未来の生き方」にむせ返る

ふらっと書店に入った。なんとなく次に読む文庫を探しに。小さな書店だったので、一周巡るに時間を要しない。文庫コーナーには福山雅治が主演をつとめる新作夏映画のポスターが掲げられ、当然のごとく東野圭吾の著作がずらりと平積みしてあった。目新しいも…

TSUTAYAは退屈の特効薬

「特別嫌なことがあったわけじゃないけど、なんか元気が出ないんだよね」とこぼした時、「最後にTSUTAYA行ったのいつ?」と返した友人がいる。TSUTAYAは元気の源だから毎日毎週行け、などという意味ではないことくらい、わかる。よほどの映画好きや音楽好き…

高円寺の歩道

高円寺には数えるくらいしか降り立ったことがないし、その時々も連れられてばかりなので勝手がわからない。 ほとんど憧れのような、わたしには似合わない街だろう、という気持ちがある。 おしゃれで飄々としていて自意識をこじらせた人たちだけの街。中野よ…

みんなできる、みんなやれる

2 月、デザイナーさんの結婚パーティーに参加させてもらった。幸せいっぱいの美男美女カップル(夫婦)を見ながら、素敵ですねえ次は誰ですかねえ、とちょう ど隣にいた社長に声をかけた。誰々じゃないかなあ、と何度かキャッチボールをした後に社長が一言、…

王子のニトリ

初めて1人暮らしをした街は市ヶ谷だ。大学まで徒歩でいけるし内装もコンパクトで小奇麗な1Kで、わたしはほとほとその部屋を気に入っていた。 色んなものを実家から持って来たつもりだったが、何もかもないことに気付いた。最初の夜にお味噌汁を作り、おたま…

新宿アルタ前

新宿で待ち合わせる時は、大抵JR東口の改札になる。どう考えても見つからないだろうなんていう人混みの中から友人を見つけ出す。ああいうのに東京を感じたりする。 アルタ前ではなかなか待ち合わせない。駅から少し歩くし、寒いし暑いし人は多い。初めてアル…

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andymoriが解散を発表した。アルバムが全てiPodに収まっている、よく聞いていたバンドだ。解散の報せをTwitterで知った後、黄色いジャ ケットのアルバムを再生し、左手に見える日本海を臨みながら口ずさんだ。バンドの解散に打ちひしがれることはもう全くな…

白紙の夏

以前穂村弘と角田光代の対談を読んだ時、「恋愛をしている時よりもしていない時のほうが創作がはかどる」などという話をしていてなるほどなあと思った。不幸なほうが幸せを噛み締められるというのはわからないでもない。そ れで思い出したのは、友人が自分の…

シェアハウスって意外と高いし色々デメリットあるけどそれでも選んだ理由

松山から帰って来て、早々に東京の家探しがスタートしました。今回わたしが探していたのはシェアハウス。単純に興味があったので。安いイメージもありました。 tokyosharehouseにひつじ不動産、SHARE PARKにcolishにとそれっぽいサイトをぐるぐる。 お目当て…

21歳になった

ぶちぶち関係だって切ってくし切れてくし、繋がってくしなくなってくし始まってく。やめたくなったらやめるようになったし、こじ開けたかったらそのために 努力したりする。あんまり褒められたこともしてないけれど、傷つけられたり傷つけたりしていて、なん…

すこし早めのただいま

3月から8月末にかけて、生まれ育った国を端から端まで巡りました。 縁もゆかりも無い街々を見ていると、住んでみたらどうなるんだろうという気持ちになり。 お酒の勉強をしたかったわたしは、流れ流れて、愛媛県松山市のBARで働かせてもらうことになりました…

大人はもっと派手だと思ってる

ご 飯作ったり外食したり、洗濯したり、掃除したり、買い物したり、健康に気を付けたりしながら、働いたお金でわたしはいま生きていて、ひとり知らない街で部屋を借りて、知り合いをつくり、ひとりで過ごしたり他人と過ごしたりしながら休日を越えてまた働き…

松山に来て10日

東京から800km以上離れた愛媛県松山市。親戚や知人がいるでもなく、本当に縁もゆかりもない街。瀬戸内海、みかん、坂の上の雲。人口だけで言えば町田より少し大きいくらいの、そんなような街に住み始めて10日ほど経つ。来て良かったと、改めて思う。この10日…

レストラン野咲

松山のショッピングモールである銀天街すぐ近く、千舟町3丁目の交差点にある「レストラン 野咲」。 磨りガラスの玄関窓やら食品サンプルやら、レストランというより昔ながらの食堂といった感じ。 安価でしっかりがっつり食べられるので、老若男女地元民に愛…

秋から半年間松山移住するんだけどその顛末を書く

昨日から愛媛県松山市にいる。明後日まで、3泊4日の小旅行だ。長かった日本一周も無事に8月31日にゴールし(連載は2,3週間遅れている。終わりの挨拶はこちらに書いた↓) 高原 千晴 - タイムラインの写真 | Facebook 高原 千晴 - タイムラインの写真 | Facebo…

土地の呪縛

休日に被災地と呼ばれるところへ行った。温泉なんて湧いてないのだけれど、良い機会だと思い南東北の海沿いへ。恥を承知で最初に書いておくが、私は「東日本大震災」に対してかなりドライな人間であった。震災当時は高校3年の春で、大学入学を控えていた頃だ…

寝ても覚めても

東北の夏は涼しい。湿気が少なく、ヨーロッパで味わったような爽やかさがある。待望の梅雨明けから2日ほど、突き抜けるような(という、手垢まみれの比喩を用いつつ)青空を久々に拝むことができてうれしい。「東北が一番美しい時期に来たね」と、一昨日Bar…

手記

半年間の日本一周も、もうすぐ最後の1ヶ月を迎える。ひとりでここまでよくやって来たなあと自分自身を褒める日々だ。私の旅の仕方や生活状況などは、企画の都合上ほとんどオモテに出すことはない。終わったら全部吐き出してやろうと思っている。告発に近 く…

詐欺師に言われた「人の言葉に耳を傾けるな」

この間、易者を名乗る年配の男性に出会った。ツボを売られたり宗教に勧誘されたら逃げればいいかと思い見てもらうことに。なんだかんだとタイミングを失い、結局半日近くも一緒にいてしまった。別れた後名前をぐぐってみると、5年前に詐欺容疑で逮捕されてい…

帰京

先々週末と先週末に東京に帰った。4ヶ月間、社会が恋しくて仕方がなかった。同じ国なのに、行く場行く場には知らない社会が広がっている。家族や友人や恋人や仕事や嗜好のない、私以外の人のための社会。小さな町から大きな街まで。旅のあいだはもちろん刺激…

喉から手が出る程社会が恋しい

旅の話をすると「社会」というワードばかり出て来るようになった。喉から手が出る程社会が恋しい、というのは、私が約4ヶ月間ずっと思っていることだ。もはや、旅のテーマといってもいい。 社会が恋しい。昨日一昨日と、上司の実家に泊めさせてもらった。上…

意識的な縁の話

一昨日の夜、立ち飲みワインバーで出会ったおじさん達には、私との縁があったんだと思う。金曜夜にひとり作業しているのがたまらなく嫌になって、町へ繰り 出した。次の日でも良かったのに、どうしてもこれから行きたかった。あの店を選んだのも特に理由はな…