独立をしよう

友だちに昨日、少し前から考えていたことを告げた。
「いつか一緒に尾道でカフェをやろうよ」ということ。

私は特別カフェが好きで巡るようなタイプの人でもないし、尾道に深い縁があるわけではない。行った時に良い町だなと感じて、いつか住みたいな、くらいの。彼女はひとつ返事で「いいよ」と言ってくれた。

25歳か、35歳のときに、やってみよう。期間限定でいい、骨を埋めるようなことじゃない。1年とか2年とかでいい、貯金して。好きな音楽をかけて好きな本を置いて、美味しいコーヒーを淹れて、縁側とかあって。彼女は陶芸に興味があるから器を置いて、私はお酒に興味があるから美味しいお酒を置いて。パンとか焼きたいね、いいね、たのしみだね。それまで一生懸命働いて、貯金口座つくろう。

大人になる前にこんなことがしたいと思った。 25歳になったとき、あるいは35歳になったとき、わたしたちは世間でいう大人で、立派に独立のしている女性だろう。もしかしたら家庭を持っているかもしれない。でもそんな生臭いものに、邪魔されたくないな。

自分の人生を生き抜く、自分の生活は何があったって続く、ということを最近強く思う。だれかの人生に干渉することになったって、踏み込むようなことがあったって、 わたしの生活がだれかの生活になるようなことはまずない。

ジョゼと虎と魚たち」の原作短編集を読んでいて、家庭や若さを「生臭い」と表現する作者がすごく好きだった。どんどん洗練されていって、じりりと加工されて いって、一品の大人になっていくんだなあと思った。登場してくる女性たちの、熱の冷めた一歩引いた、それでもほんのり色づく恋模様がすてきだった。

独立をしよう。もっと。